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モロッコのミントティー Mint tea


~  アタイ ビィ ナナァ  ~


ミントティー、モロッコ旅行、ティトワン

モロッコの口語(ダリジャ語)で、 ミント = ナナァ  お茶 = アタイ

イスラム圏でお茶と言えばミントティーが定番で、特にモロッコでは
独特のミントティーの淹れ方や茶器が発達しています。
北部はアラブ人の淹れ方、南部はベルベル人の淹れ方に分かれると聞いていましたが、
実際にはもっともっと複雑に枝分かれした、様々なミントティーがありました。



ミントティー、モロッコ旅行、フェズ

今回の旅では、タンジェ、ティトワン、シャウエン、フェズ、マラケシュ、カサブランカを巡り、
各地のミントティーの淹れ方を学んできました。

 
 
 モロッコのミントティーの淹れ方を大別すると3パターンあるようです。

①淹茶式(ポットに湯を注いで蒸らす)

②煮出式 (ポットを火にかける)

③炭火式 (小鍋を炭火に突っ込む)



さらにそれぞれに「個人の淹れ方」が掛け合わさるので無数の淹れ方があります。


ミントティー、モロッコ旅行、ティトワン


共通しているのは「緑茶」と「フレッシュミント」を使うということだけ

温度、時間などを計っているのを一度も見ませんでした
良く言えば、自由気まま。悪く言えば、超テキトー。
でも美味しいのは何故なんだ?




素材を紹介します↓




【TEA LEAF】

ベースとなる緑茶は中国からやってくる微発酵~半発酵の烏龍茶

ミントティー、モロッコ旅行、ガンパウダー

良く使われている銘柄5種を買ってみました。(左側3種がガンパウダー)

「ガンパウダー」と呼ばれる茶葉は比較的、等級が高い茶葉のようです。
右側2種のようなカットタイプは、ガンパウダーの半額くらいの値段。

この茶葉の違いこそが、「多彩なミントティー文化」を生んだのではないか?

そう考えると、一煎目や二煎目を捨てたりする「洗茶」のような技法や、
煮出し式、淹茶式など多彩な淹れ方が発達したことに
納得がいくような気がします。



ちなみにモロッコ人のガイドさんに「ガンパウダー買いたい」といっても
「なんそれ?」という反応でした。普段ダリジャ語を使う彼らにとっては、
英語のガンパウダーは聞きなじみが無いようです。






【MINT】

よく使われるのは「スペアミント系」

ミントティー、モロッコ旅行、マラケシュ

交雑しまくっているので、どれとも言えないミントも多いです。
市場に並んでいたのは、スペアミント、カーリーミント、アップルミント、
キャットニップ、キャットミント、バジルミント、ゼラニウム、
ニガヨモギ、レモンバーベナ etc

数種類のハーブを組み合わせることが多いです。

定番は、スペアミントにルイ―ザ(レモンバーベナ)や、
シヴァ(ニガヨモギ)の組み合わせ。

モロッコ人は、辛いものや熱いものが苦手なようで、
ペパーミントなどのメントール系も苦手らしいです。






【SUGAR】

渋み、苦味を和らげる効果と疲れを癒す甘味。

ミントティー、モロッコ旅行、砂糖、スッカル

スッカル=砂糖

砂糖をたっぷりと入れるのがスタンダードですが、
ノンシュガーを好むモロッコ人もいます。

「砂糖どれくらいにする?」と必ず聞かれるので、

「シュィーヤ = 少し」 と応えるとこれくらい入ります↓


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モロッコの砂糖は精製度合が低いので、
日本のグラニュー糖ほど甘くないです。

よく見るとやや飴色です。

昔のモロッコでは、贈り物と言えばスッカル(砂糖)だったそうです。
砲弾のような砂糖の塊が、今でもスーパーに並んでいます↓

 
ミントティー、モロッコ旅行、フェズ

下の写真は、マラケシュで買った、割礼の儀式を描いたプレート↓
(左の青いものがスッカルだそうです)


ミントティー、モロッコ旅行、マラケシュ、割礼、砂糖






【TEA POT】

量産品からハンドメイド品、アンティークなどいろいろ

ミントティー、モロッコ旅行、ティーポット

左: 脚が無いものが火にかけて煮出す用

中: 脚があるものが淹茶式用

右:炭火に突っ込む用の鍋



安いものは中国製で、金属の素材も厚みもぺらんぺらんです。
左: のティーポットはそこそこのクオリティ
中: のティーポットがハンドメイド製のアンティーク 


その他、銅の叩き出しやステンレス製や、装飾用などもあります↓


ミントティー、モロッコ旅行、マラケシュ
↑マラケシュのミントティー屋さんのステンレス製ティーポット
飲食店のミントティーは大抵ステンレス製で提供されます。





ミントティー、モロッコ旅行、フェズ
↑フェズのガチの宝物屋さんで見たティーポット
たぶん装飾用(庶民には値段も聞けませんでした)




「ティーポット屋巡り」
フェズとマラケシュのティーポット屋の様子をまとめました↓


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【GLASS】

くびれがあるグラスが代表的

ミントティー、モロッコ旅行、ミントティーグラス

柄が入っているものや、陶器製もあります。
写真のグラス↑はリサイクルガラス製で、一つ一つ色合いが違います。


茶器をのせるお盆のことを「シーニア」と呼びますが、
「シーニア」はもともと「中国茶(ガンパウダー)」を指す言葉らしいです。

昔は脚の長さが15cmくらいあったそうで、今は脚が無いものもあります。


【POUR】

 例のジョボジョボと高いとこから注ぐやつ。

諸説あって、渋みを和らげたり、湯温を下げたり、砂糖を溶かすためとか、

観光地に行くほど注ぐ位置が高くなるので、
半分、いや8割くらいはパフォーマンス的要素かと思います。

この旅で1番の高さはカサブランカの彼↓


ミントティー、モロッコ旅行、カサブランカ

 

 




各都市で出会ったミントティーを紹介します↓




「タンジェ・ティトワンのミントティー」

炭火のミントティーが最も古い淹れ方で、
ミントティーのルーツだそうです。


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北部は淹茶式が多くて、一煎目を捨てる派と、捨てない派がいました。
緑茶ベースに、ミント、ルイ―ザ(レモンバーベナ)、シヴァ(ニガヨモギ)
が定番のブレンド。





「シャウエンのミントティー」

人気の観光スポットなので、さっと提供できる淹茶式が主流。

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緑茶とスペアミントのシンプルなブレンドが多く、
カフェやレストランでは、自分で注ぐスタイルがほとんど。

比較的、良い茶器を使っている印象。



「フェズのミントティー」

迷路のようなメディナ(旧市街)には、ワクワクがいっぱい!
人気の観光地なので、注ぐ位置も高い。


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緑茶とスペアミントの淹茶式が主流。
織物屋、染物屋などでサービスミントティーの場合は、
グラスに注いである状態で提供されることが多い。





「マラケシュのミントティー」

南部に位置するのでベルベル人が多く、
煮出し式と淹茶式のミントティーが混在します。


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観光地ほど注ぐ位置が高くなり、ブレンドはシンプルになる傾向がありました。




ベルベル人のミントティー in Marrakesh 」

二畳ほどの小さな靴屋さんの片隅で、ミントティーを淹れてくれました。

ミントティー、モロッコ旅行、マラケシュ

マラケシュで一番美味しかったミントティー!
 



文,写真:FLowerTea 代表 有持 要